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本は友達

春樹さんの本

この週末、テレビのチャンネルをカチャカチャと回していたら、面白い番組をやっていた。お笑い芸人、昔風に言うなら悪がきの大人版が小学校の教室みたいなところに集まって、偉い先生から授業を受けている。先生があっちを向いたりこっちを向いたりする落ち着きのない芸人たちに問いかける(ひょっとすると、それが彼らの芸かもしれないが)。
「皆さんは、現状維持、成長と創造のどちらがいいですか?」
「成長、創造がいいですねー」と、先生が促すと、みんな、真顔で頭を縦に振る。
「では、どうしたら、成長、創造できるようになるのでしょうか?」と、先生はさらに問いかけると、芸人の皆さんは怪訝な顔をして、分けわからんサインを先生に返す。
そこで、先生は「本を読むことです」と答えを言う。
すると、教室の雰囲気は一瞬にしてシラケムードに変わり、芸人たちはしかめっ面をして、もっとお手軽な方法はないのかい、というような表情を浮かべる。
先生は、そんな拒否反応を無視して、続けて言う。
「皆さんは、いろいろな事を先輩とか友達に聞き、教えてもらっているでしょ。それと同じように本もいろいろな物事や経験を教えてくれますよ。本はあなた方のお友達で味方なんですよ!」
先生が力説すればするほど、生徒たちは今更本読みなんてできるかい、とでも言いたそうだった。

”本は友達”というこの番組がどんな展開をするのか、どんなふうな着地点を見せるのか気にはなったが、こんな低俗番組より、手元にある春樹さんの本を読むのが本来の日曜の午後の過ごし方と思い直して、私は「多崎つくる」のストーリーにのめりこんでいった。

今回の春樹さんの本は前評判でベストセラーになってしまった。前回の1Q84の大ヒットとノーベル文学賞の取りそこねの影響だと思うが、ちょっと宣伝しすぎのような気がしないでもない。
批判的に言ってるようだが、逆に「色彩を持たない多崎つくる・・・」と題された本の雰囲気はなかなかよかった。春樹さんのいつもの作風で、精神的に不安定で拠り所がない状態から明確な方向に向かって進んで行き、最後には、事が成し遂げられたかどうかわからない、読者の感じ方にお任せします的な状態、あるいは無事に事が終わったかのような暗示で、お話が終わってしまう。こんなふうな作品がますます不確実になっていく世界に住む人たち、特に若い人たちに共感を与えるのだろう。

主人公の多崎つくるを取り巻く、名前に色を持つ登場人物ー赤松、青海、白根、黒埜の四人が織り成す不思議なストーリー。ほろ苦い恋煩いや、何か切羽詰った状況を思い起こした人もあるだろう。あるいは、これからそんな体験をする人への道しるべになるかもしれない。いずれにせよ、人ぞれぞれ不安や心配を抱えながらも、自分自身で励まし、乗り越えなければ道は開かれない。そのために、春樹さんの本のパワーを借りるのもひとつの手であろう。春樹さんの本も、読者にとって、よき友であってほしいものである。
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