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週末は仕事とオペラ

ドンジョバンニ

久しぶりにこの週末、家でゆっくりした。コンプライアンス講習の講師を務めるのに、以前作った資料に新しい情報を付け加えて行く。仕事をしながら、ビデオ(正確にはブルーレイ/DVDレコーダ)をかけることにした。ビデオの中にはアメリカ映画やゴルフ中継があったり、録画したけど見ていない番組がたくさんあったが、仕事のBGMにはクラシックと決めた。録画したオペラのリストを見ると、ここ何年溜め込んだミラノ・スカラ座とメトロポリタンが沢山あった。

まずは、スカラ座の「ドン・ジョヴァンニ」。ティンパニーの大きな音から始まる序曲は不安で不気味な物語を予感させる。バレンボイムの指揮をチラチラ見ながら、パワポの資料をチェックして行く。幕が上がり、しばらくすると娘が歌ったことがあるアリアが耳に入ってくる。ソチ・オリンピックの開会式でロシア国歌を歌ったネトレプコが歌っていた。年齢は定かではないが、多分もう40歳は超えてるだろう。昔は凄い美人だったが、今は典型的なロシア人の年配女性みたいにかなり太い体形になっていた。その体を小さくして悲しい娘役を演じていた。資料の見直しが終わっても、まだまだドン・ジョヴァンニはつづいていた。後1時間はある。
ドン・ジョヴァンニはモーツァルトの作品。ものの本によると、モーツァルトを厳しく育てた父親に離反する罪深い息子である自分自身を描いたものという。父親の死に目に会えなかったモーツァルトは父の死後半年でこのオペラを書き上げた。アマデウスという映画では、父親の亡霊がおぞましくモーツァルトを死に呼び込んでオペラが終わる。さぞかし、モーツァルトは慚愧の念に堪えなかったのだろう。

次のオペラは、マスカーニの作った「カヴァレリア・ルスティカーナ」。悲しく切ない男と女の物語だ。一幕と二幕の間奏曲。悲しいメロディーがそのシチュエーションにピッタリだと思いながら、先日の叔父の告別式で流れた曲であったことも思い出した。
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椿姫を観に行く

椿姫

最近の私の活動は、スポーツに偏重している。血液検査のレギュラーチェックでいい成績を取るためではあるが、毎朝の五キロウオーキングはもちろんのこと、週末のハイキングやサイクリングにも熱も燃やしている。
以前は、もっと文化的な生活をしていた。本を読み、音楽を聞き、ブログを書き、たまに会社の仕事をネットでし、日がな一日、家の中で過ごしていた。外に出るとしても、庭の掃除か近くの日帰り温泉に行くか、はたまた、女房に連れられてオペラを見に行くかがせいぜいだった。

ということで、先週の日曜日にびわ湖ホールにオペラを観にいった。久しぶりのオペラだ。今年はヴェルディ生誕200年の年で、全国各地、たぶん世界中でも記念の音楽会やオペラが上演される。その生誕記念の皮切り演奏会がヴェルディのオペラ「椿姫」だ。びわ湖ホールで土日公演があって、そのあと神奈川県民ホールでも公演される。

びわ湖ホールは満員の人たちで、着飾った人たちが多くいた。席について見渡すと、少し離れたところに年配の人と舞妓さんが座っていて、周囲の注目を浴びていた。ホワイエでFBに「椿姫なう!」を投稿していたら、肩を叩く人がいて顔を上げると、かつてのボスが目に前に立っていた。
「◯◯君、君も来てたんだ!」
「あら、◯◯さん、今日は。ここでお会いするとは!」
「今度、昇格、おめでとう」
「はい、ありがとうございます」
「あっ、うちの家内です」
私は、奥さんにお会いするのは二回目だった。
「ほれっ、家の新築祝いに柱時計をくれた◯◯君だよ」
偉いさんは彼女に向かって、梟か何かの形を宙で描いたが、奥様は何のことやらサッパリわからない顔をした。
偉いさんは私と二言三言会話して、会場内に入って行った。
私は席に戻り、FBの投稿を終えて、今日の公演のパンフを読み始めた。開演にはまだ20分ほどあった。

椿姫のストーリーを簡単にしておくと、主役はパリの高級娼婦ヴィオレッタ。彼女は貴族の囲われた身。でも、この女に純真な想いを寄せる男がいる。青年貴族アルフレードである。
不思議なことに世に憚るはずのヴィオレッタは社交界の中心人物。毎夜、名士を招待した大宴会を催す。飲めや歌えの賑やかな宴会に、ヴィオレッタは飽き飽きとしてくる。しかし、招待客の中にアルフレードがいた。そこで、彼は歌う。この歌がかの有名な「乾杯の歌」。ヴィオレッタも招待客もその歌に加わり、二人の出会いと社交界の華やかさを歌い上げる。
大宴会を終わり、ヴィオレッタはフラフラとして倒れてしまう。そこを介抱するのがアルフレード。この時とばかりに、彼はヴィオレッタに想いを告白する。アルフレードはずるい男だ。女が病気の時に口説くのはよくない。騎士道としてもペナルティーである。と、私は思う。
ヴィオレッタはアルフレードに椿の花を渡し、これがしおれる頃に再会しましょうと言って別れる。この辺のくだりで、椿が出てきたので「椿姫」という題名がこのオペラに付いたのだろうが、ヴェルディの付けた名は「ラ・トラヴィアータ(道を踏み外した女)」だ。
第一幕では、この椿の出現と道を踏み外すきっかけを示し、ヴィオレッタはその前兆として「花から花へ」を歌う。これも超有名なアリアだ。

時を経て、ヴィオレッタはパトロンと別れて、アルフレードと一緒になろうと、駆け落ちをしてしまう。二人の愛の生活は、ヴィオレッタの資産を売りつなぐことで成り立っていた。いわば、アルフレードはヴィオレッタのヒモであった。アルフレードの父親からは勘当されていたようで、貴族の格式にひびく息子の放蕩である。ある日、その父親が二人の家に来て、息子と別れてくれるようにヴィオレッタに頼む。妹の縁談にひびくからだという。ヴィオレッタは愛するアルフレードを想い、父親との和解と離別を選ぶ。
一方、父親は息子アルフレードに女と別れて、故郷に戻るように説得する。そこで息子を慰めるように歌うのが「プロヴァンスの海と陸」。父親らしく重々しい歌がバリトンで歌われ、切なくでも威厳のある雰囲気を醸し出す。この素晴らしいアリアを皆さん聞いて欲しいと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=UQSXJs4RYnc&feature=youtube_gdata_player

ヴィオレッタは仕方なしにアルフレードと別れて、元のパトロンとの生活に戻る。離別した真相を知らないアルフレードは、パトロンに挑戦しようとする。そして、トランプで徹底的にパトロンに勝ち、ヴィオレッタに勝金を投げつけて仕返しをする。たとえ別れた女に対する態度でも、お金を投げつけるとはナットランと思うが、寛一お宮のような足蹴のDVよりはましだ。そして、アルフレードは、究極、パトロンと果し合いで勝負することになり、相手に勝ってしまう。

そんなこんなのひと騒動で、父親はアルフレードに真相を話し、許しをこう。本当の理由を知ったアルフレードは、恋人のヴィオレッタに会いにパリに向かう。
一方、ヴィオレッタは持病の結核を悪化させて、病床についていた。折りしも、ヴィオレッタはアルフレードの父親から手紙を受け取る。アルフレードがヴィオレッタに会いにくること、一緒になることを許したことをその手紙で知る。あぁ〜遅かれし。死期を悟ったヴィオレッタは「さようなら、過ぎし日よ」を歌い上げ、死んでしまう。これもすばらしいアリアだ。
http://www.youtube.com/watch?v=KlH9ixA2Y8A

ヴィオレッタ役に砂川涼子さん。アルフレード役に福井敬さん、アルフレードの父親役に黒田博さん。指揮は沼田さんで、オケは京響。オペラ歌手三人とも一流でうまかった。特に、二幕で黒田さん(バリトン)のアリア「プロブァンスの海と陸」がブラボーも出て、素晴らしかった。もちろん、砂川さんの「花から花へ」もよかった。オペラの最後、ヴィオレッタが結核で死ぬに場面で、華奢な砂川さんが死期を迎えて弱々しく、でもしっかりと歌ったのも良かった。結核で死ぬとは思えない体格のいいソプラノ歌手では様にならない。

しかし、このオペラはパトロンに囲われた女が金蔓の人と別れて、真に愛する男と一緒になれそうでなれずに死んでしまったお話なのだが、件のお金持ち風のオジさんと舞妓さんのデートには、不向きなオペラではなかっただろうかと気をもんだ。JRの駅に戻る道々、これが女房との会話であった。

DVD編集マニア

DVD製作

このところ、一つもブログが書けていない。その理由は、暇さえあればビデオ製作に没頭しているからだ。8月の中ごろから、甥っ子の高校野球生活をビデオにまとめ、その後、今、娘のピアノの先生(ピアニスト)のリサイタルをCDとDVDに仕上げている最中である。

甥っ子は高校3年生の最後の夏を迎えたが、大学受験の集中夏期講座を前に甲子園出場への府大会予選をすませなければならない身分。彼は、某府立高校の野球部のセカンドを守る野手で、かつてはキャプテンもしていた。しかしながら、残念なことに、そのチームは府大会の3回戦で敗退し、甥っ子の“熱い夏”は終わり、父兄会が監督や先生方、球児たちを集めてご苦労さん会を開催することになった。そこで、ビデオ編集に凝っている私に、過去の試合や練習風景を撮影したビデオを編集して欲しいと依頼があった。いくつかの記念すべき対外試合のビデオの中から指定されたシーンをカットし、写真とともに組み合わせて一本のビデオに仕立ていく。その上から場面場面で流す楽曲を重ねていくのである。某高校との試合で大負けたときの悔しいシーンで父兄や部員が泣けるように、それなりの雰囲気のある曲で盛り上げていく。そして、最後に監督やコーチ、先生にありがとう、父兄の方々(とは言ってもお母さん方がほとんどだが)には今までの支援に感謝。球児たちには大きな感動をありがとうというような盛りだくさんな“ありがとう”をそれらしい曲でまとめ上げる。ビデオ製作の企画はすべて甥っ子が考えて、私はビデオや写真を切り貼りしていく。単にそれだけの“作業”で1時間ほどの長さのビデオになったのだが、結構手間隙かけて編集した甲斐あって、件のご苦労さん会のお披露目で皆さんに感動してもらったそうだ。そして、出席者全員にお化粧したDVDを1枚ずつ進呈したとか。

それに続いて製作しているのがピアノのリサイタルのビデオ。甥っ子のものより数倍時間を掛けている。ビデオカメラを2台使用して正面からと横から先生の演奏を撮影し、サウンドはSonyのステレオのマイク1本でPCM録音をした。また、本番前に先生に舞台衣装を着てもらってDVDやCDのジャケットに使用するスティル写真を撮影した。編集ソフトがチャッチーので、動画の合成や音声との同期がかなり難しかった。一応、そのDVDも仕上げて、CD用の音源を整理してデジタル関係の編集は完了する。後は、DVDとCD自体は、Photoshopで編集したデザインでインクジェット印刷して、市販のような仕上げにする。そして、DVD/CDケースに入れる表ジャケットと背表紙をリサイタルのプログラムの雰囲気が漂うようなデザインにして、これもインクジェットで印刷する。表ジャケットは裏表印刷するので、両面のデザインを「折り」に合わせる必要がある。これで市販のDVD/CDなみの体裁にして、すべてが完成する。
今はデザイン関係はすべて終わり、この連休中にサンプル印刷してみて、写真やテキスト、表題などを微妙に色と位置調整し、全体の完成度を上げていくつもりだ。
ここまでがクリエイティブな作業で、デザインのセンスが問われる。製作している本人は、この方面(DVDづくり)のマニアと思っているが、先生に気に入っていただきたいのはもちろんのことだが、売り物になるぐらいの品質になってほしいと願うばかりである。

という訳で、週末ごとにDVDづくりに精を出していて、その合間にハイキングやゴルフに行き、このブログが書けない。ブログのネタは先週のハイキングのこともあるし、今日の横浜行きもあるし、結構“仕事”が溜まっている。
あっとっと。横浜行きは娘の演奏会である。娘の声を聞いて、ソプラノ歌手としてプロの道を応援したい。話が発散してしまったが、たまにはいいか~!?

アリア「歌に生き、恋に生き」を聴く

会場

会社の夏休みの初日、夫婦そろってお出かけ。場所は西宮ガーデンズのすぐ横にある通称「芸文センター(兵庫県立芸術文化センター)」の大ホール。佐渡裕が芸術監督する「TOSCA(トスカ)」を見に行った。8日間の公演の最終日7月28日のマチネー。前回、芸文センターに来たのは、去年オペレッタ「こうもり」を見に来て以来だ。
阪急・西宮駅を出て、傘要らずの歩道橋を通って芸文センターに入った。ここはホールが3つあって、中・小ホールとも何か公演をやっている。トスカが行われる大ホールに入ると、ホワイエにたくさんの人たちが飲み物を求めて、カウンターに並んでいた。早速、舞台から4列目の一番左端の席に着いた。会場内を見渡すと、開演20分前でまだまだ席が空いている。女房の話だと公演チケットは完売とのこと。このホールの収容人数は2001人だから、全部で1万6000人の人が佐渡裕のトスカを見ることになる。どこの地方自治体も豪華な演奏会用ホールなど「ハコモノ」を所有しているが、この芸文センターは集客と経営で成功しているハコモノのひとつと言われている。
さて、公演であるが、主要配役は一日ごとに交代しており、先発グループが外国から招聘したソリストで、後発は日本の有名な声楽ソリストたちだ。女房の経験ではトップクラスの外国人歌手でないと、歌が下手の可能性があるという(微妙だが、プロでも音程を外す。ア○○さんなんかはその典型)。それで日本人のトップ歌手のを聴いたほうがいいということで、トスカ役に並河寿美、カヴァラドッシ役に福井敬の公演を選んだ。ここで少しプッチーニのオペラ「トスカ」のストーリーを話しておこう。
トスカ

第一幕
ソプラノの歌姫であるトスカ(並河寿美)は非常に嫉妬深い。恋人の画家カヴァラドッシ(福井敬、テノール)が教会の中でマリア像を描いている。そこにトスカが現れて、描かれたマリアの顔を見て、「誰かに似てるわ、その目の色を私の目の色に変えてね」と、黒い瞳のトスカはカヴァラドッシに言う。トスカが行ってしまったあと、政治犯で捕まっていた親友アンジェロッティが突然姿を現す。アンジェロッティは脱獄して、ずっと教会の礼拝堂に隠れていたのだった。カヴァラドッシは、警察の捜索が始まる前に彼の別荘にアンジェロッティをかくまうことにする。こんなことは、恋人のトスカにも漏らさない。しかし、トスカはカヴァラドッシの態度が何かおかしいと気付く。マリア像にしてもそうだが、別の女がいるのではと疑う。
警視総監のスカルピア男爵は、政治犯アンジェロッティの逃亡先として交友関係を洗い出し、カヴァラドッシを疑う。だが、警視総監であっても、貴族で騎士でもあるカヴァラドッシには簡単に手は出せない。そこでスカルピアはトスカの嫉妬心を煽り、配下の刑事スポレッタ(西村悟 テノール、昨年の日コン優勝者)に命じてトスカを尾行させる。きっと彼女はカヴァラドッシとアンジェロッティの居場所を突き止めるに違いない。

第二幕
カヴァラドッシは犯人隠匿容疑で逮捕。政治犯のアンジェロッティの隠れ場所を尋問された。スカルピアは拷問に掛けてでも隠れ場所を吐かせるつもりだ。スカルピアはトスカを呼び出し、拷問されているカヴァラドッシの叫びを聞かせる。トスカの恋人カヴァラドッシの命と交換に、トスカをモノにしたい。こんな好機を狙っていたのだ。スカルピアはトスカに、政治犯の隠れ場所を知らないかと詰問する。知らないと言い張るが、カヴァラドッシのうめき声に堪えかね、トスカはとうとう白状してしまう。カヴァラドッシの拷問は終わり、銃殺で処刑されることになった。自分の自白で恋人とその友が処刑されることを、トスカは神に慈悲を願う。このときに歌うアリアが「歌に生き、恋に生き」である。(並河さんの演技と歌が大変感動的であった。ブラボーブラボーの連続が起こった。さすがトップクラスのソプラノ歌手だ)

私は歌に生き、愛に生き、他人を害することなく、困った人がいれば、そっと手を差し伸べてきました。常に誠の信仰をもって・・・・・・・・・なぜ何故に主よ、このような報いをお与えになるのですか?(http://www.worldfolksong.com/より)

悲嘆にくれるトスカは、スカルピアに自分の体を預ける代わりに、カヴァラドッシの命乞いをする。そして、二人して国外脱出を図るための通行許可証をスカルピアにねだる。トスカと晴れて食事を共にするスカルピアは通行許可証を書き終え、トスカに接吻をしようとする。そのときにトスカは食卓にあったナイフでスカルピアの胸を一突きする。死んでいくスカルピアの手から通行許可証をもぎ取り、恋人が収監されているサンタンジェロ城へ急ぐ。

第三幕
監獄では、最期のときを迎えるトスカの恋人カヴァラドッシが遺書を書いている。恋人へ募る想いを綴る。そこで超有名なアリア「星は光りぬ」を歌う(結構Hっポイ内容で、処刑されようとする人がこんなん歌うのか的なアリア。しかし、福井さんのテノールも声に艶と深みがあって感動した)。

輝く星々、香る大地、きしむ庭の戸・・・甘い口づけ、とめどない愛撫。僕は震えながらまぶしい女体を露わにしていく・・・・ 永遠に消え去った僕の愛の夢、時は過ぎ 絶望の中で僕は死んでいく。これほど命を惜しんだことはない。(http://www.worldfolksong.com/より)

サンタンジェロ城の屋上の処刑場。トスカとカヴァラドッシが最後の面会をする。スカルピアの指示で空砲による銃殺刑が行われる手筈だ。兵隊たちが銃を構え、カヴァラドッシを打つ。カヴァラドッシが倒れこみ、じっとして動かない。陰に隠れてその成り行きを心配そうに見るトスカ。兵隊たちが立ち去り、トスカがカヴァラドッシに声が掛ける。だが、カヴァラドッシは息をしていない!万事休す。
トスカは半狂乱になる。スカルピアの殺害を知って追いかけてきた兵士たちの目の前で、「スカルピア、神の前で!」と言いながら、トスカは城の手すりから身を投げた。

以上が嫉妬心に燃えた女トスカのストーリーだが、最後に身を投げたトスカ役の並河さんはこんな苦難にあう役柄に合わせて少しヤセ気味でもよかったのかもしれない。直情型で激昂しやすく嫉妬心の固まりのようなトスカ。過去、この役を演じ、「歌に生き、恋に生き」で凄みを感じさせたマリア・カラスが最高と言われている。YouTubeでビデオクリップがあるので、気になる人は見てほしい。
それにしても、超有名なアリア「歌に生き、恋に生き」と「星は光りぬ」がこんな場面で歌われることを、改めて理解した次第。オペラの面白みはこの辺にあるのかもしれない。

(夏休みで子供たちもいる。お母さんに連れられてオケピを見学。社会勉強だ)
オケピ2

タンホイザー三昧その2 ストーリー

タンホイザー
(この写真は、神奈川県民ホールのサイトから借用。使用については事後ですが、ご了解ください。タンホイザー公演があまりにもよかったので、皆さんに宣伝したい。)

前回に引き続き、ワーグナーが作曲した歌劇「タンホイザー」の話をしたい。このオペラに主役として登場するのは吟遊詩人である騎士たちとテューリンゲン(ドイツ)地方の領主とその姪エリザベス。領主が開催する歌合戦にタンホイザー、ヴォルフラムらの騎士たちが歌を競う。時代は13世紀初頭。
タンホイザーは快楽の世界で官能的な愛を恋愛の女神ビーナスと満喫している。しかし、タンホイザーはその愛欲に飽き飽きして、自分のことを思ってくれているエリザベスが住む現世に帰ることを決意する。現世に戻ったタンホイザーはエリザベスと再会し、自分は遠い国に行っていたと言う。領主は姪のフィアンセの帰国を祝ってか、歌合戦を開催することにする。もちろん、タンホイザーはその道のプロ。歌い合い会で優勝できれば、タンホイザーとエリザベスは最高の幸福を勝ち取ることになる。

歌合戦は、トラペットのファンファーレから始まる「大行進曲」が演奏される中(上の写真)、何人もの吟遊詩人たちが城内の大広間にたくさんの観客とともに集まってくる。各部族の貴族たちがそれぞれの歌手の後ろ盾だ。騎士でもある吟遊詩人たちの中には十字軍に遠征していた人もいただろう。そんな吟遊詩人は日本の防人のように自分の愛する人への観念的な愛を語るように歌う。また、騎士道としての精神的愛も歌い上げる。
この中でタンホイザーは、愛にはもっと熱い情熱が必要だ、たとえ歓楽であってもほとばしるほどの愛を示そうと歌う。ついに激昂したタンホイザーはビーナスとの肉欲愛まで口にした。その途端、会場の人々は、ローマカトリックの教えに背いたタンホイザーに怒号を浴びせ、剣で切り殺そうとする。エリザベスはその事実に恐れおののくが、タンホイザーの背徳に許しを乞う。そこで、領主は、許しを求めてローマに巡礼に行くようにタンホイザーに命じる。

話は後半に移るが、長くなるので少々割愛してお話しすると、結局タンホイザーは教皇からの許しは得られず、人知れず帰国の途に付く。「わしの杖に葉は生えぬように、汝の罪への許しはない」という教皇の言い渡しにタンホイザーの足取りと気持ちは重かった。エリザベスは待てど暮らせど帰ってこないタンホイザーに居ても立っても居られず、国境の谷で巡礼団を待ち受ける。巡礼団は「巡礼の合唱」を歌いながら、来ては行く。しかし、タンホイザーはいない。やがて、エリザベスは、タンホイザーの救済はなかったのではないかと絶望し、想う人のために命を捧げることを決意する。

エリザベスに仄かに思いを寄せるヴォルフラムは「夕星の歌」を歌いながらエリザベスの死に逝く姿を静かに見送る。遅かれし、タンホイザーがみすぼらしい姿で国境の谷にたどり着き、彼の友ヴォルフラムに出会う。そこでタンホイザーはローマでの出来事を友に語り、自分はもうビーナスの悦楽の世界に戻るしかないと「ローマ語り」を歌う。よろよろと悦楽の世界に向かうタンホイザーに向かって、友は叫ぶ。“エリザベスは!”この名を聞きたタンホイザーはハッと我に返り、命を絶ったエリザベスの許に行かねばと思い直す。精神愛を貫き命まで捧げたエリザベスが横たわる。タンホイザーはエリザベスの手を取り、覆いかぶさるように息を絶えた。

タンホイザーの終焉。そこに、ローマから返ってきたある巡礼者の杖から緑の葉が生じた。 “タンホイザーは教皇様からは救われなかったが、神はお許しなったのだ”と、 「巡礼の合唱」は感動的に歌う。

3月11日の配役は、タンホイザー役に水口聡さん、エリザベス役に佐々木典子さん、ビーナス役に並河寿美さん、ヴォルフラム役に大島幾雄先生(娘の先生)、ビテロルフ役に加賀清孝先生、領主役に大澤建さん、他。指揮は沼尻竜典さん、オケは京都市交響楽団、コンマスは泉原隆志さん(女房がファン)。合唱は、びわ湖ホール声楽アンサンブル+二期会合唱団。プロンプターは大川修司さん(狭いボックスの中でご苦労様でした!)

3月24、25日の両日、神奈川県民ホールでも歌劇タンホイザーは公演される。是非ともオペラファンならずとも見て欲しい。

次回のブログは、この歌劇の時代背景、精神愛、肉欲愛、キリスト教、プロテスタントなどについてお話したい。
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